Notion HQに公開

NotionのGTMは、Builder組織へ。

作成者: 青木 友

日本ゼネラルマネージャー

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NotionのGTM組織は、いま大きく変わろうとしています。

これまでのように、プロダクトを説明し、提案し、導入を支援するだけではなく、お客様の業務の進め方を、AIと人が一緒に働く前提で設計し直すBuilder組織へ。ライセンスを売るだけの組織から、お客様の働き方や意思決定の流れを一緒に作る組織へ。

この変化は、ただロール名を変える話ではありません。お客様がNotionに期待するものが変わり、私たちが提供すべき価値も変わってきたということだと思っています。

そのことを最近、あるお客様の役員の方との会話で強く実感しました。

きっかけは、あるお客様の役員の方との会話。

先日、あるお客様の役員の方と話していて、深く印象に残ったことがあります。

その方の関心は、AIで現場の作業がどれだけ速くなったか、という話ではありませんでした。もっと上流の、経営の会話で生まれた判断が、どれだけ次の行動につながるかという話でした。

議論を重ねる中で、AIの価値を見る場所が違うことに気づきました。私たちはつい、どの作業が何%速くなったかで語ります。でも、その方が見ていたのは、会話と判断が組織の中でつながっていく速さでした。

その方の言葉を借りると、現場が「35%の業務削減を実感しました」と言えても、それが事業インパクトとして見えにくい。AIコストは膨れ上がり続けるのに、回収の見通しが見えない。

一方で、こうも話していました。

「私が毎日、事業責任者と話している内容が、漏れずに記録され、次の論点やアクションにつながっていく。もしそういう状態を作れたら、事業へのインパクトは大きいと思います。 私自身も、過去の会話の文脈を忘れてしまうことがあります。だからこそ、AIには単なる作業効率化ではなく、重要な会話を前に進め続ける役割を期待したいんです」

見ていたのは、AIの生成精度や社員のAI利用率ではありません。

経営レベルで交わされた会話が、組織の中でどこまで実際に前に進むかでした。

AIの価値は、作業効率ではなく、判断と実行の流れを変えること。

この会話を通じて、AI Native 企業への変革は、個別の作業を速くすることだけではなく、判断から実行までの流れを変えることなのだと改めて感じました。

報告書が自動化された。パワポが一瞬で作れた。データの集計が速くなった。これらはもちろん重要です。現場レベルでは明らかによくなっているし、働き方も変わります。ただ、経営や組織に影響するほどの効果を出すには、それだけでは足りません。

組織のトップは、一番切迫感を持っていて、一番事業を理解していて、外の変化と圧力にも敏感です。「何を前に進めるべきか」が分かっていないわけではありません。むしろ、そこはかなり明確です。難しいのは、その判断を組織の隅々まで行き渡らせ、現場の行動に変えることです。

同じメッセージを流せばいいわけではない。事業部ごとに状況は違うし、チームごとに仕事の進め方も違う。トップの意図が、それぞれのチームにとって「次に何をするか」まで落ちないと、組織は動きません。

リーダーの判断、事業責任者との会話、そこで出た論点、次のアクション。それが組織の中でどう広がり、実行に接続されるか。

ここをAIで支えられるかどうかが、本当の意味での AI Native への変革だと思っています。

私自身も、その観点で自分が社内で動かしているAIエージェントとワークフローを見直しました。

  • 経営やリーダー層の会話を、コンテキストとして蓄積する

  • いつ、誰が、どういう意図で話したことなのかコンテキストを整理する

  • 調査・整理・ドラフトなど実行を担うエージェントに作業を渡し、ドラフトまで仕上げる

  • 作業を分解し、専門性の高いものはスキルやサブエージェントに分けて実行する

  • できたものを、会社の方針や戦略と照らしてレビューする

試してみて分かったのは、リーダー層の会話やアイデアは、思っている以上に次の会議や現場の行動に接続されていないことでした。

本人たちはかなりクリアに考えている。でも、その場の会話が次の場に接続されず、同じ論点がまた戻ってくる。あるいは、重要な示唆が誰かの頭の中に残ったまま、組織の動きに変わらない。論点や判断が抜け落ちず、次の行動につながる状態をつくることに、AIの大きな価値があります。

だからNotionのGTMは、”提案だけ”する人から、”一緒に作る”人へと変わる。

だからこそ、Notion の GTM の仕事は変わります。

Notionで働く中で、「Knowledge work is becoming programmable」つまりナレッジワークそのものが設計し、動かし、改善できるものになっていく感覚が、自分にとってかなりリアルになっています。お客様との会話、チーム内のやり取り、日々の仕事の断片が、単なる記録ではなく、AIエージェントやワークフローを設計するための素材に見えるようになりました。

設計できる。動かせる。改善できる。組織の中をナレッジがどう流れるか自体が、設計の対象になります。

だから、先ほどの役員の方との会話も、私には「良い話を聞いた」で終わるものには見えませんでした。AIエージェントとワークフローに変えられる材料だと思いました。

Notionで働く私たちは、AI First の観点で設計された業務環境で毎日働いています。だから、それが日々の業務の流れをどう変えるのかを、自分たち自身が感じています。

お客様に必要とされるのは、可能性を語ることだけではありません。可能性を語るだけ、提案資料を見せるだけ、製品デモをするだけでは足りなくなっています。お客様の業務を理解し、その場で最初の形を作り、実際に使われるAIエージェントワークフローまで一緒に踏み込むこと。これが、これからのGTMの役割になったと思っています。

私たちのGTM組織に、Account Executive、Customer Success、Solution Engineer というロール名はもうありません。これは、これまでのGTMが間違っていたという話ではありません。お客様が求めることが変わったという話です。

新設された Solutions Consultant(ソリューションコンサルタント) が持ってくるのは、提案書だけではありません。業務の流れを、AIエージェントと人が一緒に進められる形にした最初のプロトタイプです。

Outcomes Architect(アウトカムズアーキテクト) は、それが現場に定着し、他のチームへ広がるところまで見ます。FDAFDE は、裏側の技術設計と実装を引き取ります。BDR は、商談を作る入口であるだけでなく、「何をAIで変えたいのか」という最初の問いを見つける役割を担います。

この組織の変更は、ただ組織図を引き直す話ではありません。ライセンスを売る組織から、働き方や業務の流れを AI First にすることを、一緒に作る組織に変わるということです。

BuildingするGTMとして、Notion Japanが約束したいこと。

この変化がお客様にとって何を意味するのでしょうか。

一番大きいのは、「要件を聞いて、あとで誰かが作る」がなくなることです。事業の話をしているその場で最初の形を作り、組織で使われ続けるワークフローまで一緒に持っていく。そこで私たちが引き受けるのは、製品の説明だけではありません。

お客様の事業を理解する。日々の会話と判断をソースデータとして扱う。AIエージェントとワークフローに変える。そして、事業成果につながるところまで見る。

どの論点が繰り返し戻ってくるのか。どの判断が次のアクションに落ちていないのか。どの情報があれば、次の会議までに意思決定しやすくなるのか。

ここまで一緒に見ないと、業務の流れは変わらないと思っています。正直、簡単な変化ではありません。AI Native への変革は、ツールを入れれば終わる話ではないからです。

リーダーシップとカルチャー。プロセスとイネーブルメント。現場の働き方を支えるツール。これらが同時に変わる必要があります。

私たち自身、GTM組織を Builder ロールに組み替えて、その難しさの中にいます。だからこそ、その経験をもとに、複雑だけれど意味の大きいことを、お客様と一緒に分解していきたいです。

AIで何を変えたいか、まだ言葉になっていない段階でも構いません。むしろ、言葉になる前から一緒に整理したほうが、あとで作り直すよりも早いと思っています。

Notion Japan は、デモではなく、本番で動くワークフローを一緒に作るチームでありたい。お客様の事業と業務の流れを理解し、AI First な働き方を一緒に形にしていきたいと思っています。お客様、コミュニティ、パートナーの皆さん、そして Japan Team の皆さん、いつも Notion Japan を一緒に形作ってくださってありがとうございます。

ここから、BuildingするGTMとして何を作れるか、とても楽しみにしています。

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