PineconeがNotion AIを活用し、節約した時間を革新的なAI製品の構築に再投資

ベクトルデータベースがなければ、生成AIがこれほど発展することはなかったでしょう。2019年以降、Pineconeのフルマネージド、サーバーレスのベクトルデータベースソフトウェアは、企業がAIアプリケーションを正確、安全、かつ大規模に構築および実行できるようにする重要なストレージおよび検索インフラストラクチャを提供しています。急速に進むAI開発とともに、同社は猛烈なスピードで成長を遂げています。

Alicia del Carmen Raymond氏が人事担当役員としてPineconeに入社した最初の年に、彼女は同社の従業員数がほぼ3倍になるのを目の当たりにしました。しかし、その成長には課題が伴いました。というのも、Googleドライブのさまざまなフォルダ、ランダムなスライド資料、従業員各人の頭の中に知識が埋もれ、関連性のある正確な情報を見つけることがほぼ不可能になっていたのです。新規採用者は、検索で何も見つからなかった理由が、自分が間違った場所を探していたからなのか、自分にアクセス許可がなかったからなのか、単に情報が存在しなかったからなのかを知ることができませんでした。

適切な情報を見つけることは、人事チームだけの問題ではありませんでした。営業部門は、複雑な製品情報や競合に関する知識を常に把握している必要がありました。エンジニアリングチームも同様の問題に直面し、ドキュメントの重複、不整合、情報の陳腐化を招いていました。Pineconeの全員が、知識の共有と共同作業に対してより合理的なアプローチを必要としていることが明らかになりました。

それまで、Pineconeには構造化されたナレッジベースがありませんでした。Googleドライブは、すべてを整理して見つけやすくするための構造がない不便なコンテンツの寄せ集めでした。Raymond氏は、Pineconeにはより優れた長期的な解決策が必要であることを認識していましたが、従来の静的な企業向けWikiは従業員に敬遠されることが多く、混乱と使用率の低さといった落とし穴に陥りがちです。

その解決策を見つけるのにそれほど時間はかかりませんでした。なぜなら、すでに多くの従業員がNotionを求めていたからです。これらの従業員は以前の勤務先や個人でNotionを好んで使用しており、NotionをPineconeのWikiとしてだけでなく、チームの計画や日常業務にも活用できる方法を共有していました。また、Pinecone独自の製品がNotion AIの原動力となっており、ワークスペースで必要なものを簡単に見つけるのに役立つことも示しました。

新しい業務ツールを展開する場合、企業がその導入を強制しなければならないことも珍しくありません。しかし、PineconeによるNotionの展開の場合はそうではありませんでした。社員たちはプライベートな場面や他の会社でNotionをすでに使用しており、導入に積極的であったため、変更管理のプロセスは非常に簡単でした。この熱意は、Notionのポテンシャルを最大限に引き出す方法についての革新的なアイデアにもつながりました。

Notionの柔軟性により、Pineconeの各チームは、会社全体に導入されているツールを自分たちに固有のニーズに合わせて調整することができます。Jake Kokos氏がコマーシャルセールスチームの責任者として入社したとき、チームに固有の情報がさまざまなツールに分散していたり、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートの中に埋もれていたり、まったく文書化されていなかったりすることに気付きました。人事チームの成功に触発されたKokos氏は、営業組織を結集して、すべての情報をNotionチームスペースに統合しました。

各取引専用のNotionページでは、チームメンバーがアプローチを作成し、詳細なメモを保持し、GongやSalesforceなどの専門ツールからの情報を統合することができます。これらの情報をすべて1つのセールスハブに統合することで、誰もが各取引に関するすべての情報を確認し、Notion AIを使用して即座に成約レポートを作成することが可能になります。これが共有知識となり、他の営業担当者は各自のセールスサイクルでベストプラクティスを学ぶことができ、製品マーケティングなどのチームに販売支援資料のためのアイデアが提供されるようになります。このリアルタイムの知識共有は非常に重要です。これにより、メールやSlackチャンネルに埋もれて見落とされてしまうような一時的な情報ではなく、常に最新のナレッジベースに誰もがアクセスできるようになります。Kokos氏はその効果について次のように述べています。「Notionのおかげで、関係者全員が足並みを合わせ、共通の認識のもとで行動できるようになりました。」

営業チームは、複雑な技術的詳細や業界動向に関する最新情報を把握するためにもNotionを使用しています。技術ドキュメントや内部の販売支援資料をすべてNotionにまとめておくことで、一か所で学び、瞬時に質問に答えることができます。さらに、Notion AIを使用して、ターゲットを絞った効果的な見込み客向けアウトリーチを数秒で作成しています。

その成果は目覚ましく、時間の節約、共有リソースへのアクセス、強力なAIエディターによって営業チームの生産性が高まり、1週間あたりのタッチポイント数は50から400に増加し、1週間あたりのミーティング予約件数は2倍になりました。

技術チームにとってNotionは、その柔軟性、専門的な文書化機能、強力な分類機能ゆえに非常に魅力的です。本質的に問題解決者であるエンジニアは、複雑な情報やワークフローを体系的な思考に沿って構造化できるNotionの機能を高く評価しています。APIインテグレーション、バージョン管理機能、Githubなどの他のツールからの情報を埋め込む機能、コラボレーションツールは、技術チームに強くアピールするものです。これらの機能によってプロセスを合理化し、本来の出荷業務に集中できるようになります。

Pineconeのフィールドエンジニアリングチームは、技術仕様を文書化し、プロジェクトのタイムラインを管理するうえでNotionが理想的な場所であると感じ、すぐに採用しました。フィールドエンジニアリング担当副社長のDavid Haikney氏は次のように述べています。「最高のエンジニアは、一流のシェフが鈍いナイフを許さないのと同じように、効率にこだわります。エンジニアは自分の作業を支援するNotionのようなツールを使いたいのであって、作業を遅らせるものは使いたくないのです。」

Pineconeの全員がNotionを使用しているため、情報を見つけたり、誰が何に取り組んでいるかを把握したりするのが簡単になりました。その作業がNotion内に埋め込まれた別のツールで行われた場合も同様です。これにより、エンジニアリングなどのチームが、会社全体で行われている作業についてより多くの情報や参加している実感を得られるようになります。

従業員が会社の情報を見つけやすくするための会社のWikiとして始まったものが、知識の共有に基づく新しい働き方に進化しました。Pineconeの全員がNotionを使用し、新規採用者も初日から使用し、AIを活用した検索機能を駆使して迅速に仕事をこなすことができ、即戦力となっています。

Pineconeの創設者兼CEOであるEdo Liberty氏は次のように述べています。「Pineconeは、24時間体制で事業を運営する急成長中のグローバルAIインフラ企業です。Notionの柔軟な機能と優れたAI Q&A機能により、チームは業務に集中し、的確な情報を常に把握することができます。その結果、コラボレーションが容易で効率的になります。このように、Notionは社内の信頼できる情報源として重要な役割を果たしています。」

Notionは、AIで強化された柔軟なワークスペースを提供することで、Pineconeがプロセスを合理化し、コラボレーションを促進して、急速に進化するAI業界で競争力を維持するのを支援してきました。