Notionでは常に、よりスマートな働き方を追求しています。製品の成長とともに、私たちのワークスペースも進化を遂げてきました。
データベースの活用により、知識を構造化プロジェクト管理でチーム間の業務を連携カレンダーの活用により、時間の使い方を効率化することに成功しました。メールにより、コミュニケーションのコンテキストを把握。そして、Notion AIを投入。AI ミーティングノートによって、ディスカッションが具体的なアクションへとつながるようになり、エンタープライズサーチによって、ナレッジへのアクセスが可能になりました。
各機能の開発によって、コラボレーションの仕方が根本的に変わりました。
最近、カスタムエージェントを立ち上げましたが、働き方だけでなく、仕事に対する考え方もすっかり変わりました。ご存知ない方のために説明しますと、カスタムエージェントは反復的なタスクを自動化するために構築されたものです。一度ワークフローを記述し、トリガーやスケジュールを設定しておけば、ユーザーがオンラインかどうかにかかわらず、自動的に作業が実行されます。Notion内に常駐し、Slack、メール、カレンダーなどのツールを横断して作業を行い、既存のナレッジを基にコンテキストを把握します。
元々は、一人のメンバーが面倒な課題を解決するために作成したカスタムエージェントですが、今では社内の至る所で数多くのエージェントが稼働しています。そして、一つの成功パターンが生まれました。あるユーザーが自身のワークフローで使用するエージェントを作ると、他のメンバーもその便利さに気づき、そのメリットが瞬く間に複数のチームへと広がっていったのです。
そこで、私たちがカスタムエージェントをどのように使い、面倒な反復作業を自動で処理しているか、その舞台裏を少しだけお見せしたいと思います。
ナレッジを瞬時にアクセス可能にする
Notionでは、すべてのチームで包括的なドキュメント管理を行っています。NotionのCXチームには、製品の機能、価格、ポリシーなどを網羅したナレッジベースがあります。エンジニアリング部門では、サービスやインフラストラクチャに関する詳細なランブックを運用しています。どのチームにも、業務の進め方に関する組織的知見をまとめたWikiが存在します。
情報は手元にあっても、必要なときに、すぐ見つけ出せるかどうかという課題があります。
Dianmarie De Jesusは、カスタマーエクスペリエンスチームのナレッジベースを担当しています。トラブルシューティングガイドやFAQまで、サポート担当者が知っておくべきすべてのことを文書化しています。
Dianmarieは最近、チームが何度も同じ質問に答えていることに気づきました。価格やSSO構成、請求ポリシーなど、ナレッジベースにある情報に関する問い合わせばかりです。必要な情報はあっても、それを引き出すには、わざわざ適切な担当者を探し出し、その担当者がドキュメントを検索し、回答を見つけ、Slackにリンクを貼り付ける必要があったのです。また、誰かが返信するまでに数時間かかることもあり、電話対応のサポート担当者はすぐに顧客に返答できませんでした。
そこでDianmarieとチームは、こうした同じ質問への対応策としてカスタムエージェントを構築しました。このエージェントは、CXチームの「#cx-ask」Slackチャンネル内で運用されています。ワークフローはいたってシンプルです。誰かから質問を受けると、エージェントがCXのナレッジベースやサポートキュメントを検索し、ソースページへのリンクを付けて回答するという流れです。すばやく、正確な情報提供がなされます。これにより、チームは人間による判断を必要とする複雑な問い合わせに集中できます。
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「同じリンクを何度もコピペしているうちに、どんどん時間が吸い取られていきます」と彼女は言います。「今では、カスタムエージェントが数分で返信してくれるため、チームはより迅速に顧客に対応し、対応の難しい問い合わせや、戦略的な意思決定に着手できています」
CXがこのコンセプトの有効性を実証すると、他のチームも独自のQ&Aエージェントを構築し始めました。エンジニアリングチームもこのアプローチを導入して、「認証機能を保守しているのはどのチームか?」や「決済機能の担当は誰か?」といった、サービスの所有権に関する問い合わせに適応させました。現在では、カスタムエージェントが内部ドキュメントやランブックを照会して、即座に回答してくれるため、複数の担当者に確認したり、適切なドキュメントを自力で探し回ったりする必要はなくなりました。
プロダクトチームは、複雑な技術分野に特化したカスタムエージェントを構築しました。これにより、エンジニアは深夜2時でも、他のメンバーの応答を待たずに、その場で答えを得ることができています。ワークプレイスチームは、会議室や備品に関するリクエスト、wifiパスワードなど、オフィスのロジスティクス関連の問い合わせに答えるカスタムエージェントを構築しました。
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DianmarieとCXチームにとって、その変化は劇的なものでした。正しい情報が特定の一個人に頼らなくても得られるようになったため、ナレッジはチーム内の個々の専門家の枠を超えて、組織全体に拡大できるようになりました。誰でも好きなときに、正しい情報を得ることができるため、チームはすでに解決した問い合わせにまた答えるということはせず、新しい課題に集中できます。
作業のトリアージを自動で行う
ナレッジをアクセス可能にすることは、カスタムエージェントが生み出した大きなインパクトの一つにすぎません。新規作業のルーティングもその一つです。
Notionには絶えず製品に関するフィードバックが送られてきます。サポートチケットやSlackのメッセージ、セールスでの対話などには、何が機能しているのか、何が分かりにくいのか、そして人々が何を望んでいるのかといった、極めて価値の高いインサイトが詰まっています。プロダクトチームでは、社内のあらゆる場所からフィードバックが投稿されるSlackチャンネル「#all-feedback」を監視し、情報の吸い上げを行っています。しかし、そのフィードバックを適切なチームへと振り分け、タスクを作成し、何一つ見落とさないようにするには、注意を払い続ける必要があります。
そこで構築されたのが、フィードバック振り分けエージェントです。そのSlackチャンネルを監視し、フィードバックがどの製品分野に関連しているかを特定し、それに対処すべきチームに対してタスクを作成します。また、他のSlackチャンネルにもメッセージを送信し、適切なチームがフィードバックを確認できるようにします。
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これはカスタムエージェントなので、チームによるガイダンスを必要とせず、常に自律して稼働し続けます。「フィードバックは常に送られてきます。以前は、ルーティングや文字起こし、新規タスクの作成に多くの手作業が必要でした」と、プロダクトオペレーションチームのRichard Kang氏は言います。「フィードバック振り分けエージェントのおかげで、実装作業に専念できるようになりました」
他のチームは、カスタムエージェントがロギングとトリアージ作業にどれだけ役立つかに注目しました。例えば、Webチームはフィードバックルーターの成功を見て、Wilburという名前の独自のカスタムエージェントを構築しました。#web-team Slackチャンネルを聴いて、何か問題が起きたときにチームのタスクを作成し、トリアージへの最初のパスを行います。リンクがウェブサイトのホームページ上で機能していない、または翻訳が正しくない場合、Wilburが対応します。
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作業を行うチームにとっては、すべての情報が自動的に取り込まれ、ルーティングされるため、情報を追跡する手間が省けて、問題の解決に集中できます。そして、他のすべてのメンバーにとっても、変更案の提案やバグ報告のハードルが「Slackでメッセージをさっと送るだけ」、という手軽なものになり、あとの処理を安心してチームに任せることができるようになりました。
カスタムエージェントの一般的な構築方法
Notionでは、同じ質問への回答と手動でのトリアージという2つのワークフローでカスタムエージェントが大活躍しています。しかし、会社全体では、他にも数多くのエージェントが構築されています。チームは広報やセキュリティ対策、採用活動、さらには個人のプロジェクトにいたる、さまざまな用途にエージェントを構築しています。
さらに驚くべきは、カスタムエージェントを構築している人たちの多様性です。エンジニアや技術に精通した人たちだけではなく、マーケティングや営業、IT、個人のコントリビューター、チームリーダーなど、さまざまな部門のメンバーに広がっています。また、カスタムエージェントの種類は無限にあります。
Scruff(スクラフ)は、セキュリティのアラートを調査し、トリアージするします。これにより、どのアラートが本物で、どれが誤検知なのかを判断するために行われていた手作業によるリサーチや手間が削減されるため、チームはより迅速に重要な意思決定を下せるようになります。
Vera the Voice Coach(ボイスコース『ベラ』)は、スタイルガイドをベースに2通りの方法で稼働します。マーケティングチームは、作成中のコピーをベラに送り、語り口やスタイルについてのフィードバックを受けることができます。あるいは、Slackでベラにタグ付けすると、オックスフォードスタイルのコンマを使うべきか(Notionでは使っています)、といったスタイルガイド全般に関する質問にすかさず回答してくれます。
Work-in-flight(業務進捗トラッカー)カスタムエージェントは、チームリーダーが自身のチームの業務進捗を週単位で把握するのに役立ちます。プロジェクト、タスク、最新のドキュメントを追跡し、順調に進んでいる業務や行き詰まっている業務、今後予定されている業務を確認してくれます。
Smilers(スマイラー)は、環境チームがオフィスに関する質問(ランチの注文方法、プリンターの設置場所など)に回答するのをサポートします。スマイラーは、一人の担当者に個別に問い合わせするということはせず、Slack上ですべての質問に答え、世界各国のオフィスに関する最新情報について役立つリンクを共有してくれます。
Mr. Nice Guyは、トーンを調整してくれるエージェントです。トゲがあると思われかねない文章を、元の意味は変えずに、角の立たない前向きなメッセージへとリライトしてくれます。もともとは個人用として作られたものでしたが、今ではチーム全体で活用されており、コミュニケーションの誠実さを保ちながら、業務を正しい方向へと推し進める役割を担っています。
雑用から解放された文化の構築
カスタムエージェントは、Notionにおける仕事の捉え方そのものを変えてしまいました。思考のプロセスが、「どうやってこれをする時間を作ろうか?」から「これはカスタムエージェントに任せられるか?」へと転換したのです。その思考の変化は、各チームへと浸透していきました。
「Notionには素晴らしい才能を持つメンバーが集まっています。だからこそ、全員にAIを試してほしいと考えています」と、NotionのCTOを務めるFuzzy Khosrowshahiは述べています。「すでに多くのメンバーが、実用的なカスタムエージェントを作り出しています。エージェントを構築すればするほど、解決すべき課題について深く考え、それを実現するクリエイティブな手法を見出すことに、どんどん時間を注ぐようになるのです」
NotionのSlackチャンネルで毎週のように、このメンタリティが具現化する様子を目の当たりにするでしょう。新しいカスタムエージェントが定期的にSlackで共有され、既存のエージェントも異なるチームやコンテキストに合わせてカスタマイズされています。一つのエージェントが次のヒントとなる。そんな創造の連鎖が起きています。そして、それらすべてが、より効果的で、よりスマートで、より集中しやすい働き方を生み出します。
カスタムエージェントは誰でも構築できます。すべての人にメリットがあります。すでにカスタムエージェントを使っているという方、ぜひ拝見させてください(こっそりマネさせてもらうかもしれません!)。@NotionHQをメンションして、ご共有ください。
まだ始めていないという方は、あのイライラする反復タスクを思い浮かべてみてください。そして、『これ、カスタムエージェントに任せられるんじゃないか?』と自分自身に問いかけてみてはいかがでしょう。

